ごまかせば落ちるだけ

時計の機械にとって針はとても重い。
あんなに薄い棒を動かすことがとても大変なんです、、、
高級品になると針も本物の「金」で作られたりします。
前までは金の針は機械式時計でしか使えませんでした。クォーツ時計には使えなかったんです。
金が重たかったので、クォーツ時計の小さいモーターでは回せなかったんです。
必要な部品を動かすのも簡単ではないのですから、もちろん余計なものなどもってのほかです。
ここでいう余計なものとは、ゴミ、汚れ、必要以上のオイルなどです。
機械の摩擦を抑えるオイルですら多すぎると逆に抵抗になってしまいます。
つけすぎたオイルは洗浄してやり直しです。
紙やティッシュでちょっと吸い取るなんてことはできません。
そんなことすると今度はゴミがつきます。
「ちょっとだから大丈夫」はありえません。
一つのミスをごまかすと、全部のミスをごまかすようになってしまう。
それが人間です。
「必要なときに必要なことを、確認すべきときに確認する」
無駄に作業を繰り返したりすれば、壊す確立を増やすだけです。
そして一番怖いのは「自分をごまかすこと」
技術は一度落とすと戻りません。そして一度自分をごまかせば、あとは落ちていくだけです。
もし万が一そうなってしまった場合は、むやみに作業せず、ピンセットを置いて下さい。
それしかありません。