許容誤差の理解

どんなものにも必ず誤差はある。
完璧、完全なものは存在しない。だから許される誤差=「許容誤差」が決められている。
たとえば時計の部品を作るときに気をつけなければいけないのは、
「許容誤差=ずれても良い範囲」ではなく
「許容誤差=その中に入れなければいけない範囲」だということ。
言葉の違いだけのようにも聞こえますが、技術者にとっては大切なことです。
しかし、その許容誤差に収まっているものはどんなにズレていても同じだということも大切。
仮に許容誤差「±0.05mm」のものであれば
「0+0.01mm」も「0+0.05mm」も同じということです。
より誤差の少ない「+0.01mm」の方が良いのでは?と思いがちですが、そんなことはありません。
そこで何らかの差が出るようであれば許容誤差の意味がありません。
そこを勘違いしている技術者は多いです。
誤差を限りなく「0」に近づけようと時間を浪費して結果は変わらず。
それどころか、多くの時間、部品をさわっていることによって壊すリスクの方が高くなってしまう事に気づくべきです。
誤差を減らして得られるメリット(許容誤差内ならほぼ皆無)より壊すデメリットの方が高いです。
一人で行う作業は独りよがりの自己満足に陥りやすいので、注意が必要です。
許容範囲がある意味、その範囲が定められた目的は技術者の自己満足のためではありません。
必ず理由を考えて下さい。