外装磨きは手仕上げ?機械仕上げ?

時計のケースを磨いていたら、前に話したことを思い出した。
時計のケースは一般的に、パフモーターという機械を使って仕上げる。
研磨剤をつけた円形の布やフェルトをモーターで高速回転させて、そこに時計のケースを押し当てる。簡単に言うとこんな感じ。
僕はこれを、「機械仕上げ」と呼んでいる。
電気で動く機械を使うから。
バフモーターという機械を使わなくとも仕上げることはできる。 もちろん道具は使うが、電気の力を必要としない。
僕はそれを、「手仕上げ」と呼んでいる。
これは僕の中での区分。
もちろん、このような区別ではないところもある。 あるメーカーは、僕が「機械仕上げ」と呼んでいる方法を、「手仕上げ」とお客様に説明する。
不思議に思ったので理由を聞いてみた。
「時計のケースを手で持って作業しているから」だそうだ。
うまい解釈だ。
お客様にとっては「手仕上げ」の方がイメージがいいように思う。 機械仕上げがだめなわけではないのだが、時計に限らず、手仕上げの方がいいイメージな気がする。
時計の場合は、気がするだけでなく実際に多くの利点がある。
手で磨くことで、削りすぎを防ぐことができ、ケースの見た目(エッジや雰囲気)だけでなく耐久性まで細かく考えて作業ができる。
但し、時間がかかる。
「時間=お金」
これを気にしないでよければ、「手仕上げ」をお勧めする。
もちろん電気を使わない方の「手仕上げ」。