それでもロービートは美しい

安価で高精度なハイビートを作れるようになった今でも、一流のメーカーはロービートを採用している。
なぜか?
一番の理由はやはり耐久性だろう。
優れた技術をもって調整を行えば、精度でハイビートに劣ることはない。
精度が変わらないのであれば、もちろん長く使える方が良い。
そしてロービートで精度を出すためには、一つ一つの部品が丁寧に仕上げられる。
そのような部品はとてつもなく美しい。
美しい部品を使って組み立てられた時計はもちろん美しい。
ただとてつもなく高価。
もはや時計というよりかは美術品に近い。
ここが一流メーカーにしかできない理由。
数万円や数十万円の時計には一つの時計でそこまで「時間=コスト」をかけることはできない。
どうしても安価で大量生産が可能なハイビートになってしまう。
「これからはハイビートの時代」
という人もいるだろう。
しかし、ロービートは絶対無くならない。
そしてその美しい美術品のような時計を修理・修復できるウォッチメーカーもいなくなってはいけない。
ウォッチメーカーを目指している人は、徹底的にロービートを勉強すべきだろう。
分解組立工員を目指しているならば必要はないが、、、